『木曜組曲』 恩田 陸 [本]
人から借りた本です。この作者の作品は全くの初体験でした。作者がどのような作品を書いている方なのか知りません。別の作品のほんの表紙くらいは見たことがあると思います。
ミステリーです。詳しい内容は伏せておきます。5人の女性の心理戦です。5人の女性と縁の深い一人の女性作家の死をめぐる、告発と告白からたどり着くある決着までの2泊3日の物語。初日の夕刻から、旺盛に飲み食いしながら緊張と弛緩を繰り返して、夜が更けていきます。なごやかな朝食や昼間の気ままな時を挟んで、また重苦しい夜を迎えます。書くことを生業とする女性たちの静かな戦いを描いています。作家として生きる苦しみも垣間見えます。
読み始めたときに、「そして誰もいなくなった」みたいな、クローズド・サークルのようなものを感じました。意思があれば自由に逃げられる状況であるにもかかわらず、自分だけが心に秘めているという思いがなにかしらあって、そこから立ち去れなくなって閉じ込められているような。心理状態が作るくろーずど・サークル?すみません、ミステリーはあまり読まないのでよくわかりません。
ひょっとして、登場人物に作者自身を投影しているのかしら?ひょっとして、作者は女性?今まで、この作者の名前を見て、勝手に男性だと思い込んでいました。女性だったのですね。失礼しました。
借りたのは文庫です。単行本の表紙はこれ。画像はないけど、文庫の表紙のほうがいいなあ。コップの水って核心に迫りすぎだと思います。
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