『でーれーガールズ』 原田 マハ [読んだ本]
主人公の父が百科事典のセールスだったり、兄がいたり、漫画を描きながら高校時代を過ごしていたりして、まるで作者そのものです。自伝的小説ではないかと思いながら読みました。
物語では、漫画家として成功した40代の主人公が、母校からの講演依頼を受けて、卒業後初めて母校のある街へでかけます。当時と変わらぬ風景がそこここに残る街で、その街に残って生活を続けている友と再会し、自分の高校時代の甘酸っぱい思い出と向き合うことになります。
ある程度仕事で成功してから、高校時代を過ごした街へ帰る、というのが大きなテーマだと感じました。友との絆も描かれていますが、それよりも、一旦離れた街と再会することのほうが、インパクトがありました。生まれ育った街でそのまま大人になる人は味わうことのない感覚です。まして、高校時代を過ごした街です。まだ何もかも中途半端で、自分の人生を歩み始めたかどうかもはっきりしない年頃の。人によっては、思い出すこともなく感じることもないかもしれない。
そういえば、この作者のお兄さんの作品をよく読んだ時期がありました。このブログのタイトルの『物欲の日々』の由来は原田宗典の作品の影響を受けています。
自分が買っちゃったモノをおもしろおかしくエッセイにまとめた作品です。自分も買い物したモノをちゃらっと紹介したくて書き始めたのでした。何度も引っ越しして、最初の頃のはもうどこにも残っていません。ちょっと残念。
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