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ハーセプチン [薬]

トラスツズマブです。HER-2(ヒト上皮成長因子受容体2)の抗体です。

愚痴なので読まなくていいです。虫の居所悪いもん。

 投与するときは、凍結乾燥品を蒸留水で溶解した後に生理食塩液250mLで希釈します。ところが、この生理食塩液の250mL入りボトルというのは、採用していない施設が多いようです。ですので、ハーセプチンは生理食塩液250mLボトルとセットで販売されています。薬価は生理食塩液込みでついています。ハーセプチンは体重によって(初回は4mg/kg、2回目以降は2mg/kg)投与量が決まるので、人によって投与量はまちまちです。発売当初は150mgバイアルしかなく、高価な薬剤であるにもかかわらず、半端になったものは廃棄せざるを得ず、無駄が多かったのです。その後、60mgバイアルが発売となり、廃棄する薬剤の量は減りました。ところが、60mgバイアルにも1バイアルに1本生理食塩液250mLボトルがついてきますので、生理食塩液が無駄になっています。近頃は、1回当たりの投与量を増やして投与間隔をあけるやり方もありますので、ますます廃棄が増えています。採用がある施設は、廃棄せずに有効利用すればいいでしょう。でも、添付する生理食塩液のメーカーがたびたび変更されるので、それにあわせて施設の採用メーカーを替えるもの難しいのです。更に付け加えると、ハーセプチンは冷蔵保存しなくてはならず、包装ごと冷蔵が必要です。ですので、冷蔵の必要のない生理食塩液もセット包装されているため、無駄に冷やされています。保存や運送のコスト、さらに包装資材の無駄使いにもつながっています。添付する生理食塩液のバックの形態が変わると、薬剤の包装もそれにあわせて変更されます。だから、希釈用の生理食塩液は別にすべきです。その分、薬価を下げるべきです。

 ってなことを、ずーーーっと主張しているのに、一向に改善されず、またまた生理食塩液のメーカーを替えるとは何事だ!余った分は返すぞ!!今回の包装変更のせいで、実薬のバイアルと溶解液のアンプルが取り出しにくくなりました。時間に追われながら1日で数10本使用する側には改悪としか思えん!!!

 もう一つ思い出したぞ。説明書通りに溶解すると出来上がる溶液の濃度は、21mg/mLです。なんでそういうきりの悪い濃度にするんだ?20mg/mLになるようにしろよ。そうすれば、計算が楽チンじゃん。発売当初から、どこの施設からもそういう文句がでているはずなのに、どうして改善しない??

 更にもう一つ。投与間隔についても現状に即した方法が、保険適用になるようにしておくれ。biweekly投与のことだよ。

 来月アバスチンが発売になるわけだが、言いたいことはガンガン言うぞ。


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コメント 10

ケン

かなり怒ってますねー。
これはきっと陰謀ですね。 無駄と不便を作ると儲かるのかもしれません。
こういうことって多いかもしれませんね。
気が付いたらグチって怒るしかないですね。

このあいだのCharles Jourdanの写真よかったです。毎回感嘆します。男で脚を通したくなるヒトのキモチも少し分かるような気がします。
by ケン (2007-05-31 17:53) 

おごんち

メーカーだけじゃなくて、厚労省もいけません。締めるところが間違ってる!

男性諸氏には、自分のミューズをみつけていただきたいものです。
by おごんち (2007-05-31 23:12) 

野村

こんにちは、ハーセプチンのことで教えていただきたいのですが...突然すみません。60mgのハーセプチンを3.0mLで溶解すると、なぜ21mg/mLになるのでしょうか?。実は、63mg入っているのでしょうか?宜しくお願いします
by 野村 (2010-02-22 18:56) 

おごんち

■野村さん

こんな古いエントリーをご覧いただいたとは、お恥ずかしい限りです。

>63mg入っているのでしょうか?
そういうことです。3mLで溶解して、全量を回収しても3mLは取れませんので。調整する側としては、添付の溶解液をすべて使用すると3mL吸い取ることができて、その濃度が20mg/mLになっているのが理想だと思います。
アバスチンで稼いでいる場合じゃないだろう、って感じですよね。
by おごんち (2010-02-22 19:22) 

野村

早速のご回答ありがとうございます。長年の謎がこれで解けました。
例えば、ハーセプチンの総量が106mgの場合、60mg入りを1瓶使い、3mlを取り、残りの46mgは、46mg÷21mgの2.19mLを取り、総容量は5.19mLとするのでしょうか?
それとも、106mg÷21mgで、5.04mLとするのでしょうか?
また質問してしまいました。ごめんなさい。
by 野村 (2010-02-22 19:50) 

おごんち

■野村さん

106/21=5.05 とします。

調整時は60mg/V/3mL、150mg/V/7.2mLとなるようきっちり量って注射用蒸留水を加えます。溶解後に必要量を量り取ります。取った溶液は21mg/mLのものですから、ご質問の5.19mLでは109mgになってしまいます。

そういうところにしっかりこだわるのが、私達の職能じゃないかと思ってます。

by おごんち (2010-02-22 22:04) 

野村

ありがとうございます。ハーセプチンについてかなり検索しました(智恵袋なども)。現場の生の声が聞けたようでとても理解できました。ありがとうございました!
by 野村 (2010-02-23 09:22) 

おごんち

■野村さん

どういたしまして。
ネットは便利なようで、本当に欲しい情報を手に入れるのは難しいです。
ネット上にある情報はよく吟味してご活用くださいませ。
(ここも含めて。。。)
by おごんち (2010-02-23 23:08) 

野村

お久しぶりです 先日ストーカーのように質問させていただきました野村です
いま1つ、お尋ねさせていただいてもいいでしょうか?
ロイナーゼ?ですか、mgではなくKEという単位の薬品があるのですが、これはmgに換算可能なのでしょうか?ネットで調べても全然で...
お時間のあるときにお返事いただけましたらと思います
by 野村 (2010-03-16 19:52) 

おごんち

■野村さん

酵素製剤ですから、力価を使います。処方するときは、力価で用量を計算します。mgは必要ありません。他にもエンピナース錠とか、カリクレイン錠とか、酵素製剤は力価で用量が示されていますね。

酵素として重量換算が必要ということでしょうか?申し訳ありませんが、それはメーカーにお尋ねになるのがよろしいかと思います。ペニシリンGのように、ATC/DDD等の算出で重量換算が必要な場合があり、その場合はこの量で換算するように、という基準が示されています。

おそらく、換算しても意味のある数字にはならない気がします。処方量に関する正しいセンスを身につけるためには、力価で憶えましょう。
by おごんち (2010-03-17 00:08) 

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